トワイライトミュージカル zone-00 (ゾンミュ)を観てきた

今年の初めに死ぬほど思い入れのある作品の2.5を観てあのシーンもない!このエピソードもない!つまんない!!とめちゃめちゃ書いたんですが今度は逆で原作知識付け焼き刃で2.5観てきた。

俳優目当てで見に言ったので原作知識は1巻分だけ。
でもキャストにしか興味が無いのに1巻読んだ心意気だけで評価してもらいたい。

私にとっては絵が綺麗でノリはちょっと合わない、そんな漫画です。

今回は再演なので初演の時の情報を見るとめちゃめちゃビジュアルが良い。メイクもウィッグも凄い綺麗で2.5凄い、完成度高い!という印象でした。
弁天を男性が演っているのが凄い。弁天のブロマイドを持ち歩いてたら意識が高まってダイエット出来るかもしれない…!!!!

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作品観てきた感想に入る前に個人的な萎えが非常に多くて書き残しておこうと思います。

この気合の入ったメイクとウィッグで飾って貰えるなら、!!!と思ってチケット取ったらシアターサンモールの4列!見難い、既に萎える。
シアターサンモールって劇場は一言で言って見難い。
最前以外の前方席はどフラットで座席も互い違いになっていないので「ハズレ」以外の何物でもない。ハズレた。

特典もランチトート。キャラ絵付きのランチトート。
使えない特典ほど憎らしいモノはない。前回は箸だったそうなので次はランチボックスかレジャーシートにしたら良い。次があるかはわからんけども。

あーやだやだ行きたくない!と思ってたけど取ったチケットで空席を作るのは罪だからちゃんと行きました。エライ!

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初日観てきた感想なんですが、原作が完結してない漫画のシナリオを構成するって本当に難しいなってことを思いました。もうこれに尽きる。

zone-00という漫画の第一印象があの「絵」なんですよね…睫毛ビシバシ、髪の流れが作る流線型、ボンテージ、刺青…美しいって感じ。
それは凄いく仕上がってた。メイクもウィッグも役者の身体作りも凄くてマッスルボディは傷つかないって感じ。


ところがどっこい、ビジュアルに反してシナリオは全く面白くなかった。
全編を通してエピソードというか、シーンのパッチワーク。そのシーンに至るまでに必要なエピソードは全部セリフで説明というダサさ。疲れる…。
ストーリーが有って無いようなもんでした。
このミュージカルを以って語る「お話」がないんだからそりゃつまんないよね。

一応、良いところを先に挙げておくんですが
居酒屋弁天出張店(海の家)のシーンはとても楽しかったです。古今東西バレー。
原作と関係ない、役者たちががアドリブで作るシーンが一番楽しかったと挙げられるこの舞台がどうだったかお察し頂きたい。

このシーンのちょいダサダンスの歌は凄く好きでした。ラブリーでファニーでキャッチー!って感じ。このシーンだけは何度でも観たいって思いましたね。でもこのシーン、目当ての俳優がステージ上にいない!

この舞台で目当ての俳優以外で良かったところはここだけですね。


何が面白いのか教えて欲しいと思うくらい、シナリオがつまらなかった。
SNSで「ゾンミュ 良かった」で検索したけど全然共感できねぇ!泣けねぇわ!カラカラだよ!

漫画原作2.5って原作が完結してないと、シーンの終着点が描けないことが多いから確かに最初から難しい物だとは思うんですが、だったら出来ないことは始めるなよ、とそれを言っちゃおしまいだよみたいな事ばかり浮かんでしまいました。
どんなに破綻してても、観劇後に「まぁでも面白かったな良かったな」と思えるようなパワーある作品に仕上げてから初日を迎えて欲しい。

黒薔薇兄弟の愛憎の肝心要、心臓部分の人物である「白百合 姫」というキャラクターが登場しない中であの兄弟を戦わせるシナリオ構成はかなり苦しい。
「何の為に戦っているのか」「何故闘わなければならないのか」を描くのはあまりにも無謀過ぎる。

百合姫の(おそらく)凄くいいシーンを音声のみで演出されてるんですが、姫の声が聞こえたところでそのシーンに至るまでの姫と黒薔薇兄弟のエピソードは兄弟のセリフで描かれるのみなのでこの姫の気持ちが全くわからない。
凄く良いシーンだと言うことはお察し致しますが「漫画的にキメの良いシーンなんでしょうな」という感じでした。全く感情が震えない。

たぶん、今回兄弟が揃うので黒薔薇兄弟のエピソードが見せ場なんだとは思ったんですけど…メインエピソードじゃない…と思うんですがヒールが黒薔薇朧児だけなので…敵を倒すぞって所ここだけなのでこれがメインなのか…?

zone-00っていうドラッグ蔓延る荒円寺でヒトとモノノケが闘うところにセクシャルでスキャンダラスな人間関係!みたいなのがゾンゼロと思って観に行ったんですが…元凶のzone-00(ドラッグ)について全然わからんまま終わる。

・このドラッグで人間がモノノケ変化してしまう
→実害は?
(原作で九浄の首を飛ばすのはモノノケ化した人間だった様な気がする(うろ覚え)、でもミュージカルでは黒薔薇朧児が九浄の首を飛ばすのでゾンゼロドラッグの危険性を肌身で感じる機会が無い。

・黒薔薇朧児ドラッグ服用
→最初っからキメてるからドーピング感も無い。そもそもなんで黒薔薇朧児がドラッグを必要とする?頼ってる感はありません。
朧児(没落王族)がドラッグをばら撒いて王座復権に活かしてるというわけでもない。なんで朧児がゾンゼロ持ってるのかもわからん。

・ドラッグは弁天のお兄ちゃんが作ったんだって!
→そもそも弁天のキャラクター説明エピソードないからお兄ちゃんって言われても…だれ…そもそも弁天についての情報がホットパンツすげー!くらいしかないよ…。

タイトルになってるのに、zone-00 がなんなのか観終わってもわからない。いっそドラッグのことは描かなくて良かったんでは?くらい…掲題のアイテムなのに?
原作を読んでたらわかるのかもしれない。予習が必要なシナリオ構成はクソダサい。

1時間50分って聞いてたんですけどシーンをパッチワークしてる構成のせいでテンポが悪くて最初に黒薔薇朧児が登場して次の出番になるまで1時間くらい掛かったかと思った。

黒薔薇朧児in、月彦outによって千両くんは出番が減ってるんじゃ無いかと思うんですがまぁどっちにしても使い魔である彼らの闘う理由たる魔女の沖野真夜子が登場しない時点でそんなに変わらないんじゃ無いかなって思いました。

暗転の度にセットの移動する時も完全暗転して欲しい、運んでるのが見えてて本当にダサい。見せるなら見せる!見せないなら見せないで徹底してほしい。

このミュージカル、作品の何を見せたいのか全くわからないまま終わりました。
ビジュアルを見せたかっただけだと言うなら叶ってる。写真展でもやってろ。

私が原作に対して知識が無いのはあるんですけど、何度でも言いますが私は「予習が必要なエンタメ」が基本的に好きではありません。

あとこれは14日に客席にいた者としての感想なんですが客席に向かって開口一番「ご覧の通り客足が寂しい」等という挨拶には本当にガッカリしました。

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15日マチネ観てきたので追記

シナリオがダメダメって事を書いたんですが、2回目観て何がダメだったか言語化出来ました。

ゾンミュのシナリオは全て唐突でした。
前後の繋がりがスムースじゃない、場面が変わる度に「なんでこんな話になったのか?」がわからなくなるし、場面は話が収束せず終わるので「ここで語りたかったことはなんなの?」と兎に角、座りが悪い。

「黒薔薇朧児湘南襲撃」
湘南っていうか九浄襲撃。
九浄の首を撥ねる理由など語られないし、理由ない猟奇的なものだったのか?
ていうかなんで湘南の海に?白百合姫がいないので(居ないわけではないけど)姫を狙ったとも憐児を狙ったとも…そしてなにより特に理由もなく去る
なんで突然ゾンゼロキメたのか正直ワタシにはわかりませんでした。ドーピングか?と思ったら飲んだらすぐ去る…何の為に飲んだの?!

「長かった海の家」
時間の経過を表現するシーンが無いのであまりにも突然に「居酒屋弁天湘南出張店」が数日経過するエピソードであることをセリフで知る

「夏休みもあと数日」
時間の経過を表現するシーンが無いのであまりにも唐突に夏休みが過ぎていたことをセリフで知る

「何故か襲撃を受ける九浄・志萬」
上記の時間経過無いので突然襲われてんのかこの日までずっと突然の襲撃を受けていたのか不明

「vs黒薔薇兄弟」
百合姫が不在のなのでイマイチなんでこの男たちは突然戦い出すのか…。
黒薔薇朧児が憐児にくらわせた一撃は凄い重そうなのにその後わりとあっさり朧児死んでしまう
(殺陣はカッコイイんですけどね)


繋がりが良くない、ガタガタのパッチワーク。
それがゾンミュ。

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