刀ミュ葵咲本記を観てきた

当日引換券という機能があって良かった。


当日引換券を頑張って買ったので初日に観てきました。処女厨は初日が大好き。
初日観た感想なので、もう一度観た時には全然変わるかもしれないし、ソレを期待して今思ったことを残しておきます。
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先に言ってしまうと2018年2019年暫定一位のガッガリシナリオ舞台だったなと思います。
虚無ではないけど、ガッカリ…。

何にそんなにガッカリしてるかと言うと
三日月宗近という機能(シリーズギミック)」「役割の与えられていない鶴丸(バランス)」「関西のオバチャンのような明石(キャラクター解釈)」…この辺りがどうしても馴染めませんでした。

何より、今回のお話しは内容を乱暴に総括すると「みほとせの中割り」なのですが、個人的にはみほとせは美しく終わったと思っていましたので、
今更あの中に「実はこんな話がありました」とされるのは不粋な印象でした。

とはいえ、葵咲は人間キャストが魅力的で「全く面白くない」というわけではなかったです。
…いやでも、やっぱり人間と刀剣男士の邂逅はやっぱり面白くなかった。
これは刀剣乱舞の派生作品の中では禁じ手な気がします。

みほとせの時は「歴史上人物」を演じていたのが葵咲になったら「刀剣乱舞という作品の登場人物」になってしまったんだなという感じで…信康は架空のキャラクターになってしまった、と言いましょうか。
苦手なタイプの後出しです。

刀剣男士を認識して刀剣男士を助ける松平信康は、私がみほとせで観たものとは違うなぁ、と思っているんです。みほとせで観たのは松平信康だったんですけど今回はキャラクター・松平信康だった。
「最初からそう(架空のキャラクター)でしょ?」て言われちゃうとうまく伝える事が出来なくて悔しいです。

葵咲はみほとせとはパラレルではなく中割りなので気持ちの落とし所がなかなかみつかりません。
あの、秀吉が死に際に観た信康は…とか考えちゃってイヤですね。

信康役の大野瑞生氏が一番光っていたのでこれがまた私の気持ちの落とせない所に拍車をかける!
葵咲本記は信康が一番「良い役」でした。
双子の兄弟も秀忠も、良かった…秀吉も良かった…んだけどなぁ。

  • -- -- -- --追記

恐らく、私が刀剣男士で観たかった、アクション、歌、ストーリーの中でのドラマチックな役割は全て大野瑞生氏がやってました。…それが悪いってわけでは無いんですけどね、むしろ良いところだったんですけどなんだか爽快感が無いのはなんでなんでしょうか。

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良かったところの話を続けるんですが、
(恐らく)稲葉江先輩の概念が凄い格好良かった。
葵咲本記は概念先輩が一番格好良かったです。
概念先輩と結城秀康、時間遡行軍を率いてるシーンが画としてめちゃめちゃかっこよくて、「刀ミュってこんなのできるんだ」と素直に感動しました。画がカッコイイ。
概念先輩のブロマイドが欲しいので、凱旋公演から売って欲しい。

  • -- -- -- --追記

画がめちゃめちゃよくて好きだったけど、概念先輩自体は「死」まんま、というのを見て、私が知らないだけでこのカッコイイと思った画も何かの「まんま」なのかなーと思うとまぁちょっとカッコ悪くて残念な気持ちです

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  • -- -- -- --追記

2回目で歌詞が聴き取れたのでイイな、と思ったところが増えたのですが明石の歌の中で
「♪考えることと悩むこと 一緒にしたらあきまへん〜」みたいなことを言っていたと思うのですがこれは本当にそうですね。至言です

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さて、早速合わなかったところの話をしちゃうんですが
結構序盤から村正が信康さん信康さんとみほとせで見せていなかった態度を見せてて「ソウダッタンダー」みたいな…。
そんなに村正が信康を思っていたとは思ってなかった、少なくともみほとせ観てそうは思っていなかった。
千子村正が信康に興味ないという意味ではないのですが、葵咲序盤の村正が見せた思い入れの強さが想定外でみほとせを観終えて「イイオハナシダッタナー」とそれなりに作品を好いていたので「この村正を知らないまま、イイねイイねと思っていた自分」とはなんだったのか、と壊されていく胸の中の何かに多少緊張しました。

もしかして、イイと思っていた作品が今日覆されてしまうのではないか、という緊張でした。

(千子村正役の太田基裕氏はアレだけ開幕前に人間味溢れるネガティヴツイートしてたんで大変だったんだろうな、と。知らんけど。大変だったんだろうな、と思わせてくれるだけのものをステージで見せてくれる太田基裕氏は本当にいつも凄いなって思います)

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緊張からスタートしたみほとせ、キャラクターについての所感を書きます。

DREAM KOTEGIRIGOU GO!についてですが
コテギリゴウのゴウってGOUなんですね。
個人的には KOTEGIRI GO だと思ってました。森田剛みたいな感じで。
コテギリゴウの♪トクゥントクゥンの度に何故かイラッとするのが悔しい。キュンとしたかった。

コテギリゴウってあんなすっとぼけた話の通じない感じのキャラクターだったのはちょっと本当に…イメージが合うような、合わないような…話を聞かないタイプのイメージはあったので…もどかしい。
あとフリマアプリで服を売ることを思い出してしまうので俳優という商売に就いたら印象は大事にして貰いたいですね。

  • -- -- -- --追記

話が通じない、というよりは「会話する時に相手に目を合わせていない」という感じかもしれません。
顔は向けてても、相手と向き合っていない気がしました。なんでだろう…印象の話です。

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篭手切江のれっすんに御手杵が付き合っているのはなんか、御手杵の「槍と脇差は仲良し」が活きてて、観れて良かったです。

私は御手杵が怖いので、このエントリでは御手杵の話は極力割愛したいと思います。説明はできないのですが「御手杵が怖い」

明石が登場するなりめちゃめちゃ元気ハツラツでちょっと笑ってしまいました。
怠さフルスロットルのはんなり京都人のイメージだったんですが、口喧しい関西のオバチャンみたいな…面倒見が良さそうですね。
かと思うと籠手切江にはダイレクトに嫌味をぶつけてて、ちっとも飄々としてなくて溢れる正義漢にビックリです。
明石はナニがそんなに気に入らないのでしょう。
「全てを救えないなら〜、」と明石は言いますが、そもそも「先輩に正気を取り戻させたい篭手切江」に向ける感情としてなんだか合っていないような気がします。ナニがそんなに気に入らないんだい?
まぁとにかく明石は元気でした。元気だなぁって印象です。


鶴丸国永が歌もお芝居もお上手というか、魅せるものがあるという印象です。お顔が丸い。
鶴丸自体は個人的にはイイじゃんイイじゃん!という印象(語彙)なのですが、鶴丸がなんか含ませることを言ったりその背景に三日月が浮かんでたりすると匂わせが酷くて…。
鶴丸がパワー溢れる刀剣男士であること、「捉えどころがない」という魅力も表されていてキャラクターの魅力を十分魅せていたと思うのですが、個人的には葵咲本記のストーリーの中での役割は皆無だったと思います。
別に鶴丸じゃなくても良かったというか、鶴丸に担わせなければいけない必然みたいな所は一切描かれていなかったと思います。
敢えて探して言うとすれば鶴丸が言うと「っぽいよね!」みたいな役割でした。
そこに居たのが鶴丸だったという印象です。勿体ない。

  • -- -- -- --追記

刀ミュのこれまでの作品ってわりと隊長に任命されるのは「成長」を求められるキャラクラーが担っていた気がするんですが、今回はそれが無いですね。
だから鶴丸に勿体無さをえらく感じてしまうのでしょうか。勿体ない。

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蜻蛉切は歌が上手い。


歴史上人物の皆さんは本当に面白かった。
父と子の憎しみってエディプスコンプレックスを描くことが多いと思うんですが、ここでは強い兄弟愛でしたね。(なんか違ったな、)兄を憎むのではなく、兄を愛する方に傾倒するのもなかなか面白いなって思いました。
男士サイドの話があまり面白くないのでより一層人間キャストがイイって思って帰ってきました。
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葵咲本記自体の感想に戻るんですが、もう繊細な事は書きません。


長い!!
部分部分は楽しいんですけど、ココが最大の山場!みたいなところはどこだったんでしょうか。
明石の説教なのか、篭手切江が先輩を取り戻すところなのか、鳥居元忠の討ち死か、vs検非違使なのか、鶴丸が赤くなって鶴らしくなったところなのか、太田基裕の見せつけるキャリアの芝居か、spiの歌か、三日月宗近の暗躍か、もののべと名前が付いたことか…。
トピックは色々有ったんですけど、「じゃあどこが一番の山場だったのか」は私にはよくわかりません。

わからないけど、だからって難解だったとも思ってません。
言いたいことはわからんでもない、でもスッキリはしない。
観劇時間の体感がとても長いのに、その長さに見合うだけの爽快感は観劇後に無かったです。


三日月宗近という機能」
ここが私の最大の駄々冷めポイントでした。
チラチラと背景に浮かぶ三日月に寒い匂わせは感じてましたけれど、言っちゃうんだ…て感じです。
これについては「結びの響き、始まりの音」はこのギミックが登場しなくて本当に良かった、と思うばかりです。おむすびが一番好きなので。この先、榎本武揚や中島くんが三日月宗近という機能を付与される為に蒸し返されないことを願うばかりです。

  • -- -- -- --追記

貞親の「今は言えねぇ」がやたら気になります。
なんで言えないんだろう。結の目のホトトギスなのかな

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別に憎むほど思いを持って観に行ったわけではないんですが、過去のシナリオを蒸し返すにしても同シリーズのつはものは別にこんなにガッカリするものでは無かったのに、なんで葵咲本記はこんなにガッカリになってしまったのか。匂わせるのと、言っちゃうのでは全然違ってことにしておきます。


あぁ、葵咲本記で村正が自分のことを「おじさん」と表現したのは凄く好きです。「おじさん」。
村正が自分を「おじさん」としたのは2.5次元で凄く好きです。こういうのはイイですヨ。



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これは非常に個人的な所感ですが、
「なりたいものになるんじゃない、なれるものになるんだ」的なセリフを誰かが言っていましたが
「なんでも出来る、なんにでもなれる。なりたい私になる」とHugっと!プリキュアキュアエールが言っていたので、「でもキュアエールはなんにでもなれるって言ってた…」と私の心の中の幼女がはちゃめちゃに異議を申し立ててておりました。なりたいワタシになれば良いんだよ…。