DRAMAticalMurderドマステ を観てきた
※ノイズルート(初日)、蓮ルート(25日)、ミンクルート(前楽)しか観てないヨ
原作ゲームのファンでは無いので、観てきたルート分の情報しか知らないです。
一番わからなかったのは『碧島ではどうして男性同士のセクシャルな欲求が当たり前に展開するのか』でした。
紅雀に女子ファンがいるってことは碧島には女性が存在していて、男女の恋愛が成り立つ世界線かと思うんですが…なんで碧島の男やミンクの仲間はガッチリメンズでノンケの蒼葉にセクシャルな方面で色めきたってしまうの?わかりませんでした。
蒼葉の声が魅了と洗脳の力を秘めているとしても、舞台上ではどちらかというと魅了より「言うことを聞かせる」て感じだったので。
あんなに説明のナレーションが多いのになんでこの辺の説明が作中に織り込まれていないのか不思議でした。
原作知ってたらなんの疑問も無いんだろうな、と原作ファンが少し羨ましいところでした。
これは同性愛への違和感ではなくて、単純に男と女がいたらより抱きしめたいのは身体が柔らかい分、女性じゃないかと私は思うので、不思議な島だなって思いました…そもそも碧島は「島」なのか?
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私自身は商業のオリジナルのBLが非常に苦手で、しかもドラマダは成人指定されてる作品なので初日は兎に角憂鬱な気持ちで着席しました。
嫌なのになんで観に来てんの?て言われたら気になる俳優が出演しているからです。
その俳優の「芝居」が観たいからチケットを買ったんだよ!別にコンテンツの派生作品として観たくて観に行くだけじゃないんだよ、俳優の追っかけは!
着席したら3列目かと思っていたのが思い掛けず2列目だったので後はもうひたすらウイルスの立ち位置がセンブロの下手寄りであってくれ!と願いました。どちらかと言えば上手寄りでした。カテコのダンスは完全に上手でした。アガったりサガったり噛んだ舌が痛いです。
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良かったなーと思ったところの話から書いていきます。
・多ステするヲタク向け
ルート毎に二幕の内容が全然違う。完全に別物。エンド違いなんてヌルいもんじゃなかった。
初日のノイズルートを観た時、二幕がほぼ二人芝居だった潔さには本当に驚きました。
ルート回以外も通おうとチケットを取ったわかはいのヲタクはみんな死んでしまったんではないでしょうか。
原作のファンにしても…自分の好きなシナリオ回に入らないと二幕が鬼門なんじゃないでしょうか。
息をするように多ステするのは圧倒的にわかはいのヲタクだと思いますが、コンテンツのヲタクが多ステすべき作品でした。
でもコンテンツが好きで多ステしてるなら需要と供給のマッチング完璧、毎回違うものが観られるし毎公演違うシナリオな筈なのに永田氏の芝居は完璧に仕上がってて最高の演目だったんではないでしょうか。
コンテンツのヲタクは円盤にしてくれなんて言ってないでとにかく劇場で体感した方がいい。
・永田聖一朗氏の芝居がめちゃめちゃ上手い
本当にめちゃめちゃ上手い。もう観てというか「体感してくれ」としか言えません。
特に蒼葉の人格が変わるところの表情の変わりっぷりが凄かった。ゼロ秒で別人の顔。
ノイズから仕掛けられた野良ライム試合以降、蒼葉は基本的に「展開に翻弄されるタイプ」の主人公です。
観客と目線の近い存在なのですが、宿す乱暴な方の人格が浮かんでくる時の表情の変化が本当に怖くて、さっきまで観客と同じ目線で翻弄されていたのに蒼葉もまた観客へ衝撃をぶつけ、翻弄してきます。
ゼロ秒で多重人格を表現するそのお芝居の上手さに震えました。この蒼葉の豹変ぶりは「体感」して欲しい。
八百屋の舞台でアクションをドッタンバッタンしてるのですが永田氏のボディは割としっかりしてるので重みがあり、迫力が有ってよりエキサイティングなアクションを魅せておりました。かっこいい。
「永田聖一朗」の芝居を2.5時間ずっと観ることが出来るのがドラマダの最大の魅力だと思います。
どのルートでも永田氏の出番は減らないしね。
これは私が原作を知らないからだと思うのですが、ルート毎に全く違う相手と展開が進むにも関わらず、永田氏の蒼葉はキャラクター性に全くブレがありませんでした。
どのルートの蒼葉も「同じ蒼葉」で、〇〇ルートになると全然キャラが違う、というような事が一切無かったように思いました。
この辺はシナリオの力も多分に有ると思いますが、永田氏の描くキャラクターの一貫性に複数のシナリオを観てもストレスが全くありませんでした。
「蒼葉は誰を選んでも蒼葉である」ということがこの舞台しか知らない私にも伝わったというか。
・富永勇也の描く導線が兎に角美しい
私はウイルス役の富永勇也氏目当てに劇場に行きました。
一幕の時間にしてほんの10秒そこらの「悪島を撒いて逃げる」シーンが本当に大好きでした。2回あるのも嬉しい。
このシーン、心の中で毎回スタオベでした。
私はコレを観るためにドラマダのチケットを買ったのだ!と思いました。
ドラマダのステージは八百屋(しかも盆)になっているのですが、この八百屋のステージでウイルス・トリップが対角になり、走りながらその対角の導線を保つですが、富永氏が作るこの導線!これが本当にラインが美しい!ぴょんっと跳ねて素早く駆けて、と連続の動きの中なのに美しい導線を保ち続けるんです!舞台袖へ駆けていく姿、最高でした。
ドラマダのステージはかなり傾斜キツいんです。
でも、富永氏はずっとペダステのあの急勾配のスロープに立って芝居をしてきたんです。得意分野じゃん!知ってた!でもこんなに出来るなんて知らなかったから凄い感動したし嬉しかった!
富永氏が培ってきたキャリアを思い掛けず別作品の中で見ることが出来きたことが本当に嬉しかったです。
彼が2017年10月から2年4ヶ月葦木場拓斗を担ったペダステの新IH編は2020年2月で終わってしまうけれど、富永氏の芝居の中に「経験」として残るのだと感じられたことは勝手ながらとても幸せでした。俳優を追っているとこんな喜びに出逢うことがあるのか、と。
私は骨の髄がペダステのヲタクだから本当に嬉しかった。ありがとうドラマダ。ありがとう八百屋の舞台を採用した人!
(ゲネプロ動画で2回目の方が観れた)
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さて
好きじゃなかったところの話なんですが…
何度か「朗読劇か?」て思いました。
地の文を読むような状況説明ナレーションが兎に角多くてクドい。
もしかして原作ゲームのテキスト儘なのでしょうか?
地の文ナレーションは「読んでる」感が半端なくて、同時に役者の芝居も描写を語ってるので本当にクドくて気持ちが冷める場面が度々訪れて辛かったです。
蒼葉が精神を集中させていることは永田氏の「集中している芝居」で十分伝わるのに、「蒼葉は精神を集中させ…」みたいな地の文ナレーションが入るのは私には合いませんでした。
でもゲームだとスチル1枚を補足するテキストって1シーンにたくさんあるんでしょうね…再現度が高いんでしょう。気にならない人が楽しめればそれが正解だと思います。
私は富永氏の地の文ナレーションに、良い声だな〜って楽しむ事にしました。
でもやっぱり芝居としては集中削がれて冷めちゃう。
特にミンクが登場してきたシーンの目の前で煙管ふかすミンクに蒼葉が「男は煙管を取り出し…吐き出した煙が宙漂う…」みたいな事を台詞で喋り出した時は本当にビックリしました。
こんな事言いたくないんですが、「見りゃわかるよ」と。
ミズキの精神の深部に蒼葉がスクラップした時のミズキのモノローグとかは最高だったので、台詞で語るのが悪いわけではないんです。
役者が芝居で語ってるところは、役者の芝居から場面を読み取るから十分ですよ、という話です。
演技で、身体で、3.0次元にしかない人体の質量で表現してるのにナレーションを被せられてる感じは馴染めませんでした。
芝居を乗せて地の文をナレーションするので、この作品が全編朗読劇の体裁だったなら読むのが上手だなって思ったと思います。
いっそ朗読劇だったなら本当にもっと素直に賞賛出来ただろうな、と思うほどでした。
・二幕の差分が「通う」俳優のヲタク泣かせ
これはこの作品の良いところと完全に被りますが、
初日のノイズルートは二幕が99%、二人芝居でした。二幕のウイルス、体感20秒くらい。
ウイルス役の富永氏が目当てだったので二幕はやっと一瞬出てきた!と思ったら次の出番はエンディングでした。
あまりの出番の少なさにビックリしたんですが、後日ペゴステを観たらコミナミくんの出番の方がヤバかったんでちょっと救われました。ありがとうコミナミくん!
初日のノイズルートに関しては「年末で業務が繁忙なので一旦会社戻りたい」くらい思いました。
でもこの二幕、25日蓮ルート回を観たら普通にウイルストリップに出番ありました。
ルートによって二幕が違い過ぎる、差分なんてもんじゃない(二回目)。
原作ゲームが好きで観劇する分には物凄く贅沢な作りだと思います。毎日違うモノが観られるのは先にも語りましたがやっぱり凄い事だと思います。
でも、通えるヲタクばかりではないので「ルートによってお話が変わります」なんてやんわり言わずに「ルートじゃないキャラクターの出番はほぼありません、ご了承の上チケットをご購入下さい」くらいアナウンスしてくれよ!
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好きとか嫌いとかの話じゃないのですが、セクシャルな場面がダンスで表現されているのは新しくて興味深かったです。ダンサブルセックス。
蓮ルートの対ウイルス&トリップの時だけダンスじゃなくてもっと物理的で即物的な攻めの体裁でしたけど。3.0次元BL耐性がないので目のやり場に困るし感情がスンッとなるので個人的にはとてもしんどかった。
ノイズルートの時、初日だったせいか富園氏のセクシャルダンスがとても硬かったのがお可愛らしかったです。その前のアクションシーンとか凄いキレキレだったので余計に。
紅雀、クリアルートを観ていないので良い奴と可愛い謎のガスマスクという印象しかありませんが、好印象です。恋慕の事情も情事も見てないからでしょうね。本当に私はドラマダに向いてない…。
ミズキのドライジュースへの想いを語るモノローグのシーンが大好きでした。意識不明だったのに退院できてよかったね。
ミズキみたいな大事にしてるモノの為に本質を見失ってしまうタイプのキャラクターは実に面白くて感性に刺さります。失う不安を24時間抱えるタイプのメンヘラの素養が見えて好きでした。かわいいね。
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総括は「原作ゲームのファン向け」です。
「俳優のファンだから」で行くとルート回によって出番の差が有り過ぎて、通いのヲタクにはキツいだろうと思います。頑張ってください(?)
個人的には時間があってドラマダ原作のファンだったら全ルート回見たほうが良いと勧めます。
私は原作を知らないので、誰のルートにウイルスとトリップの出番があるのかわからないのですがチケットを持っている3つのルート以外のルートの方が出番が多いよ、とか言われたら臍を噛んで死にそうです。
時間も金も有限なので、せめて出番はどのルートでも同じくらい用意して欲しい…のは俳優のヲタクの戯言でしょうか。
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2019年最後の観劇、ドラマダの感想でした。
まぁ最終的に楽しんだ、かな。