刀ステ慈伝を観てきた

徳の高い友人にお誘い頂いて観てきました。
神戸は飯も景色も最高でした。

別のエントリが割と文句ばかりになってしまったのですが、2回目を観た時凄く楽しかったので芝居は2回くらい観ないと楽しめないのか?(そんなことある?)

配信まで買ってしまいましたから、結果的にとても楽しみました。
思い出した順にダラダラっと所感を書いて残しておきます。

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初っ端ゲラゲラ笑ったところなのですが、
開演直後の特命調査聚楽亭イベントの映像が

物凄くMikuMikuDance

ヌルヌル動くよ!

「ここから3連戦となる…」のあたりだと思うんですが時間遡行軍が横隊で男士を待ってるのゲーム画面みたいでさすがに笑ってしまいました。何を大人しく待ってるんだ、縦横無尽に仕掛けろ。

しかしながり、原作の要素がシナリオに織り込まれるのは凄く好きなので「出陣は6振」が守られてるとか打刀2・短刀・太刀3の編成もなるほどな〜って思えて好きでした。有り得ない編成では無い、というか。
でも、ここで出陣してる6振を先に紹介する意味とかあったのでしょうか。純粋に疑問です、初っ端から。

聚楽亭がこのMMDで一瞬で終わってしまったのは少し残念な気持ちでしたが、今回の刀ステはダイジェスト映像のBGMで表現される通りの内容なのでまぁここでサッと消化するのが妥当だったんでしょう…。

https://youtu.be/_ASkan-o-cg

聚楽亭ムービーを流していたスクリーンを兼ねる幕が落ちると全員客席に向いて座ってる。サザエさんみたい。
初見は度肝抜かれて爆笑、2回目からはわかってても笑ってしまう感じでした。

「今回はこういう感じ!」というパンチを顔面で受けてしまったような衝撃がありました。
(「この公演に10万も20万も払った人は満足したんだろうか?」と高額バイヤーの心を心配しました)

舞台刀剣乱舞のOPダンスって歴代チョイダサなのですが、長谷部がドヤ顔で踊っているのが私は大好きです。今回もダサくて可愛い振り付けだった。

OPタイトルコール迄は聚楽亭からの温度差がもの凄くて初回観劇時は風邪を引きそうでした。

本編が「第〇〇話〜〜」とタイトル付きなのですが特にタイトルが付く意味はなかったように思います。
場面転換としても特に効果は為していなかったように思います。
「声に出して言ってみたい言葉をタイトルにしました」という印象です。
ジョ伝の時は序・如・助て意味があって面白かったのに今回は寒くてなぜあの時は出来て今回は出来ないのか疑問です。

長谷部が相談する相手が山伏と同田貫なのは、この本丸でそこそこの古参故の信頼でしょうか。
刀ステの作品群内の連なりを感じられて好きです。

長谷部の「よし、いったん帰ってもらおう!!」、
鶴丸の「ここだぁ!!」とか本当に瞬間的に「ウケる」みたいなシーンがたくさんで頭使わないで見られるのはとても楽しかったです。細けぇこたぁいいんだよ。

誤魔化しを通そうとする長谷部の声が大きくなる、というはとても好きです。基本的に嘘をつくのが下手なのが良いです。

・システマティックセリフ回収
全編を通して思ったんですが、台詞の随所随所に白々しさが目立ちました。
今までもそうだったかもしれないんですが人数が多い分白々しい瞬間が多くて印象深いのかもしれません。

太郎太刀は特に難しいんでしょうかね…太郎の台詞の馴染まなさが気になる場面が多かったです。
「ここは最初の街、〇〇」みたいにフラグ立ったらこのセリフ!くらい前後が繋がらないシステム的な台詞運びでビックリしました。

あと、三味線と歌と舞は必要だったんだろうか…達者なわけでもないので何を見せられてるんだろうかと冷静になってしまいました。
小林涼氏の顔が私の世界で五本の指に入るくらい好きなので顔ばかり見てました。
円盤で見たら絶対にこの三味線タイムに飲み物取りに行っちゃう。
その後に続く長義の台詞もなんだか馴染みが悪いというか…どうしても、「持てるものほど与えなくては」の台詞を言わなきゃいけないってことなのでしょうか。不自然が先に到来して寒くて風邪を引きそうです。
五虎退から退く南泉のシーンも、
五虎退の「だって虎がかわいそうなので」の一言が続かなければ自然なのに残念です。全部言わなきゃダメなのか…。

後半の太郎の「それも悪くない…」から始まる奉納されてた話とか本当に必要だったのか?と思います。それまでの会話での展開がブッた切られている感じがしました。


今回は「原作での台詞に縛られて過ぎている」と思うシーンが多かったです。
回想を3Dで見れるのはうれしいのですが、挿入が下手クソ。
刀剣乱舞ON LINEというゲームは基本的にキャラクターは「セリフ」が骨なのでら(むしろそれしかない)、シナリオに織り込もうと思うとこうなってしまうのは仕方ないのかもしれないんですけど、演出・脚本での台詞前後の肉付けが薄い感じがして唐突で簡単な言葉で言うと「下手クソ」でした。

これは単純にシナリオが本当に下手くそだったんですけど、大般若の「まさに猫に小判だな〜」とか何が「まさに」なの?全然上手くなくてビックリしちゃった。

・五虎退の失くしもの
せめて「巾着袋です」くらいは言っても良かったんじゃないか?
「なぜ言えないのか」の補填が無くてそっちの方が気になりましたし「三日月オチだから」というところに還るのかと思うとそれはちょっと…もっと上手くやってくれよ、て思いました。

・徳川の刀と維新の刀の邂逅が良かった
私がシナリオの中で一番好きだったのは徳川の刀と陸奥守の邂逅です。
佐幕派の刀とは色々なメディアミックスの中で「幕末」として括られてきましたが、幕府の刀と直接会話してるのは初めて見られたかな、と。

陸奥守を「坂本龍馬の元愛刀」と呼んだソハヤが話し始めた陸奥守を見る顔は静かだったその後に、ニヤニヤしているのが好きです
あの表情の変化にはソハヤの感情を想像するのに幅が出来て、多様性があって面白いと思いました。
ソハヤも大典太も「もっと俺たちに力があれば」とは言っていましたが、陸奥守に対しては本丸の仲間意識の方が濃く表現されていたように思います。喧嘩にならなくて良かった。


・なんでそんなに脳足りんにされてしまうのか、大包平
頑張り屋さんの脳筋イメージなのでしょうか。
やたら叫ぶ。酒気帯びだとしてもなんでこんな表現?

個人的には大包平って真っ直ぐで声が大きいイメージはあるんですけど、人の話を聞かないイメージは無いのでキャラクターの捉え方が脚本・演出家の方とは私は一致しなかったようです。

・会場変わり刀剣男士
こんな企画は二度とやるな、というのがまず第一なのですが、椎名鯛造氏の不動行光がもう一度見たくて神戸公演に行ったので集客・集金の効果はあった。でも二度とするな。

私が観ることができたのは東京公演の小夜左文字、神戸公演の不動行光でした。ふた振りとも本編の中で修行に出ていることが描かれているので、ドングリの流れが自然(?)でした。

この作品はコメディと確信したシーンは
長儀を隠す為に布をバサッとされるシーンでした。天丼。
長儀はなんでそんなに大人しくバサッとされているのか。
大般若に御髪を直されるまで大人しくしてるところはギャグの運びとして好きなタイプなのでこの天丼が嫌いなわけではないです。

場面転換のシーンで陸奥守りがバク宙キメるのが気に入らない話は別エントリにわけましたが、配信ではこのバク宙の後にソハヤのスーパーいい顔が抜かれたので、刀ステの陸奥守はこれが得意なんだ、てことにします。あの表情が抜かれて本当に感謝してます。
この場面転換の音楽が好きです。♪タッタッタッタッタラッタ〜みたいなアレ。


・良心、次郎太刀
本当に良い仕事をしてると思います。
次郎のキャラクターは柔軟で明るくて…良心でした。
でも舞ってるシーンは虚無。見せられるほど上手いか????
「屁理屈なんて酒の肴にもならないよ」と諌めるのも優しい言い方だと思いました。優しい。

・コピーでいいじゃねぇか
ソハヤもいい潤滑剤だと思います。キャラクター同士を繋ぐ役割が上手というか…もう簡単に言うと優しい!!

・先輩風、南泉
個人的に南泉一文字は好きな刀剣男士なのでイメージが崩されなくて良かったです。
ビュービュー吹いてる先輩風も可愛いです。
南泉の「後で『なんであんな事言っちゃったんだろう』って後悔するから!」は長義の「引けなさ」を強調してて本当に好きでした。ここ大好きです。

鶴丸国永(おどろき)とダンスっちまう長義
布を被って勘違いされて揶揄って遊ばれる長義、
ベタベタなんですけど、私はこういうの大好きです。
なんで長義は大人しく鶴丸とクルクル回っているのか。
布をかぶっている、のヒントだけで「見つけたぞ!」と息巻く長儀も「やはりそうか!」も「すぐにわかったよ」も共感性羞恥の気がある私にはこのシーン本当にハラハラドキドキしました。
山姥切に詰め寄られる長義の「えええ?!」こそ彼のキャラクター性なんじゃないかな、と思わせてくれるのも凄い好きでした。ベタなのが好きなんです。

娯楽で難しいことを浅く深読みするのがあまり好きじゃないので、こういうベタベタなギャグとか安心して楽しめて好きなんです。
結衣の目って何?てまだ思っていて某悲伝は観劇から一年経っても心からは楽しめていません。
そんな高尚なものではないって思っているので、こんなんでいいんと思うんです。楽しく観られるのが好きです。

・長儀がとてもよかった
「山姥切は俺だ」「偽物くんで十分だ」
ただの高慢ちきじゃないのが良かったです。
鶯丸の「君もわかる」に「だったら良いんだけどね」と返す時の表情も凄く良いです。

今回の刀ステは「梅津瑞樹氏の山姥切長義がとても良かった」に集約したいと思います。

私はこれまで、全くもって山姥切という界隈に興味がなくて。
もちろん長義にも興味がなく買ったランブロで山姥切が出たら交換が捗る!くらいに思ってました。推しに変わるんでしょ?くらいの。

本当にただそれだけ思ってたんですけど、梅津瑞樹氏の山姥切長義が本当に心に響き、気持ちがひっくり返りました。
役者の芝居があって初めてキャラクターの魅力に気づくことができて2.5次元作品観劇の喜びを味わうことができました。
対山姥切国広との手合わせで「クソォ!」と地面を殴りつけている姿は2階席から見ていてもいい芝居をするなと思いました。
コミカルなシーンで見せた表情も、高慢さも、悔しそうな顔も本当に良かったです。言ってしまうと顔が好きです。

長義のプライドの高さを魅力的に演じた梅津氏は本当に今後の活躍楽しみな俳優さんだと思いました。顔が好きです。ブログもなんか「手記」て感じで癖になります。

・ソハヤのウィッグがお寝んねし過ぎている
本当にウィッグが酷い、本当に。
ウィッグ作ってる人はソハヤノツルキのビジュアル知ってんのか?というレベル。
飯山氏が金髪が似合わないとかそんなレベルの話じゃない。
ウィッグの仕上がりは刀ステにおいてもう何も言ってはいけないのかもしれないのですが、今回特にソハヤの前髪が全くもってぺちゃんこで本当に酷い仕上がりだと思いました。ランブロでは立ってたのに…。
「内番だからセットされてないのか?」落とし所というか、納得しようと思ったんですが、通常衣装になっても完全にペタンコだったんでソハヤのウィッグが一番再現度が低くて残念大賞でした。

・殺陣はアガる
刀剣乱舞で期待して観に行くのってやっぱり殺陣のアクションなんだなって。上手い下手はまた別の話として。
最後の3部隊手合わせは三池同士の殺陣とか、短刀3vs太刀の組み合わせも楽しかったですし、室内戦での大太刀が不利というのも画で見られて良かったです。
国広vs長義で陸奥守りが結構早い段階で納刀してたのが印象的でした、どうしてって言われると説明はできないのですが私はこういう陸奥守が好きです。

この時の戦闘ボイスの回収もセリフとしては不自然ですけど、自分のやってる原作ゲームが目の前に展開しているような気分になるのでシステマチックなのが逆嵌るなと思いました。
五虎退の攻撃時の虎の鳴き声のSEかっこいい!
それにしても、山姥切国広強すぎない?

・会場変わり刀剣男士「小夜左文字」「不動行光」、最高だった

特に神戸の不動くんの「じゃあ、アンタもまんばちゃんだな」というセリフが最高だと思いました。
最初から長義を「山姥切」として受け入れてる。印象がとても良いです。凄く好きな台詞でした。

・どんぐりには不覚にも泣いてしまった
義伝を思い出してしまって。サイレントに泣いたので許して貰いたい。
僕も、私も、と続くどんぐり貰いました報告には「ご都合主義〜〜」とちょっと笑っちゃうところなんですけど、それを凌駕するくらい初回は胸に熱いものが込み上げてしまいました。



色々有ったんですが、千秋楽の特報で陸奥守推しの私は気持ちがペッチャンコになってしまったので、取り敢えずエントリを終えたいと思います。
ハァ…土佐…。
染谷さんもまた観られて嬉しいけど、健人の鶴丸がまた観られるといいな…。




結局どうだったの?というと凄い楽しかったです。
面白かったか?には答えるのが難しいのですが。