エーステ秋冬観てきた

アプリゲームA3!の舞台版、通称エーステ秋冬を観てきました。
私自身はそこまでゲームをやり込んでいないので、この作品のようにチケットの入手が楽では無い、原作人気が既に高い舞台を観劇する機会があるのは、ここが一番というファンの方には多少「すまない」という気持ちになります。
それくらい、エーステは2.5次元化作品として完成度が高い。ごめん、めっちゃ楽しかった。超楽しかった!次も観たい、超観たい。

私の思う2.5作品での「完成度が高い」というのはメイクやウィッグなどのビジュアルの再現度やシナリオの原文採用率では無くて「原作を読んで得た感動を今ここでもう一度得られたか」に依るのですが、エーステはその辺が本当に素晴らしいと思います。おい聞いてるか刀ステ悲伝。

秋冬を観てきた話がなかなか始まらなくて申し訳ない

もう100000回くらいしてる話ですが春夏公演の時に劇中劇のロミジュリで「♪ふたーりーさがーしだすのさーー」と僕らの絆が入った時は本当に心も体も震えました。感動でゾクゾクした。2.5次元だった。
劇中劇自体はミュージカル(では決してないけど)調になってたのでうまく表現したなぁ、と感心ばかりだったのですが、ここでの僕らの絆のサビの入り方は2.5史に残した方がいい、語り継いでいきたい。
エーステはここ最近の2.5次元作品の中では最も「2.5次元作品」としての魅力があるような気がします。
チケット枯渇問題が解消するといいのになぁ。

さて、秋冬の話なのですが
秋組、上手かったね。
芝居ができる、歌える…春夏組を「僕たち舞台俳優いちねんせい!」と表現するにしても秋組みんな上手いなって思いました。

秋組シナリオはキャラクター性故にステレオタイプ「実は良い奴なワルは良い」みたいな…ある意味万人受けというか、バッドボーイズポートレイト自体が本当に面白い。
秋組のメンバーって基本的に「素直な良い子」キャラクター性を持ってないので、こういう不良少年の「良い子」なところを見せるシナリオはスイカに塩振って甘いみたいなものだからめちゃめちゃ面白い。本当に面白い。
太一は別に不良少年ではないけど「愛されたい」という欲求は絶対に自分一人だけで叶える事が出来ないから純粋な欲求であればあるほど業が深いよね、カルマ背負ってるな高校生。
ヨーヨーのエピソードが削られたのは天馬が出てないせいなのでしょうか。でも天馬でやるべきエピだから仕方ない、て落とし所になる気もする。観たかったけどね、赤澤氏で。

♪質素倹約節制の歌は、♪早起きは三文の徳さんダヨーが好きな私には堪りませんでした。推しが面白い歌を歌ってる!アガりました。
古市左京さんのポートレイトがミュージカル調だったとは知りませんでした。2.5で知る左京さんのポートレイト、「自分の武器(魅力)を活かした演出してる!さすが左京さん!!」と凄く2.5次元である意味を持っていて感動しました。

そういえば春夏のように明らかに「千秋楽で起きた事件」にすることが出来ないのが秋組なので千秋楽芝居(語弊がある)が無さそうなのは良かったです。
千秋楽だけ「ズタズタにされた幸ちゃんの衣装について謝罪する」とか出来ないもんね。
秋組の公演中のエピソードで小道具の拳銃を忘れた(んだったっけ?抜かれてたんだっけ?)十座が手で拳銃を模す、というのが物凄く好きだったんですが削られてしまっていとちょっと寂しかったです。
私は演劇は舞台上に何も無くても「はーーー波が高い〜」てセリフ一つ言ったらそこは海、みたいなのが好きなので十座が手で拳銃を作って対処するのも客へ「銃だ」と思わせればそれは銃なので十座の演劇的な表現の成長を見ることができる気がして超好きなエピソードです。無かったけど。

いなせの膝から下が凄く細くてゴボウみたいだなって思いました。

七尾太一が凄く芝居が上手かった気がします。
ゲームの七尾太一から違和感なく3.0次元に居るから2.5次元みたいな。
「愛されたかった」の話はエピソードが削られてるせいで薄いといえば薄いんだけど、悲痛で観てて悲しい気持ちになる。
「七尾太一 泣ける」しか言えなくてごめん。
でも本当に泣けた、良かった、凄い上手かった、愛さずに居れない!愛せる!

ついでに私はサイレントで泣いてるから許して欲しい。
啜り泣き警察を名乗っておりますが、エーステ秋もそこそこ啜り泣き多かった。
凱旋の千秋楽はWOWOWで視聴出来るそうなので泣いてますアピールしたいどブスはWOWOW視聴をお勧めします。

春組のメンバーと夏組のメンバーの挿入の程度も公演時間に合ってる気がしました。モブが輝いてる。

そういえばエーステにおける「監督」の演出って偶に寒々しいけれど、ゲームをやった事があれば挿入具合が丁度いいというか絶妙に感じます。
「監督=観客の私自身」感はクドくなくて(語りかけられる導線上に常に座っていたら違うかもしれないけれど)、
劇場にいる分には寒さも本当に少ない。
存在がちゃんとあって(無かったことにされていない)それを憎からず観ることが出来ている、という意味でこの演出がわりと好きです。
LVやWOWOWで見たらもう少し醒めてしまうかもしれないけれど。

秋組の感想は秋組のメンバーが上手かったので「泣ける」とか「良かった」「上手かった」「画が良い」みたいな語彙力のカケラもない感じになってしまいます。でも凄い面白かった。1幕が降りた時点で乾涸びそうでした。

冬組の話なのですが、
私、冬組のストーリーを読まずに観劇に挑むことになりました…ランクが54なのです。
粗筋は…紬と丞が幼馴染で、喧嘩して仲直りする、みたいなことは知ってたんです!天使を憐れむ歌はゲーム内公演で読んでいたし。

冬組はキャスティングが発表された時点まで戻るんですけど、それまでエーステってわりと「あ、その人が演るの?!」みたいな絶妙なキャスティングだった気がするんです。
知らない人より知ってる人の方が多いだろうけど爆発的人気俳優ではない、みたいな。かといって話題性とか直近の出演舞台が人気作って俳優さんもいて…絶妙な采配だなーって思ってました。

そこに冬組のあのキャスティング。
もう素直にいっちゃうと山姥切国広おるやん、て感じでした。うわっチケット取れるのかなー?ヤダナーみたいな。
私、冬組は思い入れが一欠片も無くて本当に申し訳ないと思ってるところにこの人気俳優の登用は本当に「oh…my goodness」て感じでした。

友人が最近ご執心の俳優さんが出演されることになったのでエーステという楽しい作品を観てもらえる機会が生まれたのは大変嬉しかったです。
悲喜交々、愛憎相半ばエーステ。

観てきた話をすると荒牧氏の紬、よく知らない私では所々で「山姥切国広みたい(な芝居)だな」て思いました。
紬も溌剌としたキャラクターではない為かもしれないですが、これは荒牧氏の表現の技法なんだろうなって共通性を観て感じたという話です。

北園氏は脚が長くて登場してくるとつい足の先から股に向かって舐めるように見上げてしまいました。長いんだもの。
丞の表情が2パターンくらいしか無い表現はゲームまんまって感じで私は好きです。表情は差分って感じ。
あと私が見た日は喉強かった。

観てすぐに書かなかったのでだいぶ細かいところ忘れてしまったんですが、冬組のストーリーって芝居に関係ないところでの諍いが湿っぽくてそれが冬組の情緒なのかな、て思いました。メンバー同士秘密が多い儘で終わる、みたいな。

あとこれは個人的な気持ちなんですけど、誉は何も悪くないよね?みんなの気持ちを整理して代弁して共有してくれて…デキる男じゃん!と思いました。あれはダメなの?あの時のつむつむの「言っていいことと悪いことがある」が私にもさっぱりわからなくて有栖川誉何も悪くないのに、てまだ腑に落ちてません。

GOD座の芝居を観ることが出来たこと、ありがとうエーステ、ありがとう2.5次元って感じでした。
こういうの2.5次元で実体を持ってる意味があって好きです。
そして紬がGOD座に落ちた話「受けるところを間違えた」としか言いようがありませんでした。
紬の芝居のテイストってこういう感じじゃないでしょ?みたいな。観たこともない紬の芝居なのに既に説得力が凄い。そしてここでNo.1の俳優だった丞…わからない。

天使も憐れむ歌、「医者ヒデーーー」感が体感できて良かったです。ゲームだとテキストだものね。ヒデェ奴だよあの医者は…。

冬組読んでないけどアプリが2部続いてるんだからマンカイカンパニーが勝つんでしょ、という展開だけはお察ししていたのですがあんなにテイストの違う芝居見て劇団付きのファンから得票が出来るってマンカイカンパニー冬組も凄いけど客の民度も高い、さすがGOD座…とか書いてる途中で丞のファン票だったらめちゃめちゃ泣けてしまうなと思ってしまいました。

勝敗が決した後の左京さんの「おい、明細書もだ」みたいなところが凄く良かった。グッとキタ。

あとはレビューとか凄い楽しいなー最後まで楽しいなーエーステ〜〜て感じで語彙がない。本当に語彙がない。
あのメインテーマ聞くたびに物凄くテーマパークのアトラクションみたいだなって思います。ワクワクする、キラキラと輝いてる、キャラクターがそこに居て笑っている。2.5次元作品の魅力を最後まで伝えてくれるのがエーステ、物凄く高揚感を得られて観劇が楽しいです。

観ることが出来て本当に良かった。

チケットを取るのが本当に難しい作品とは思うんですが、現在の2.5次元舞台群雄割拠のこの時代で2.5次元作品を観たことがある人には一度は体験してほしい作品のNo.1は今エーステが担っていると思います。

春単独行きてぇなぁ!